【庄司家】新潟県の羽越本線・新発田駅と村上駅の官舎について

下記の記事書いた、戸籍に書かれた駅 羽越本線新発田駅村上駅の官舎についてです。

kensuke1108.hatenablog.com

 

羽越本線というのは、新潟県新潟市の新津駅から日本海沿岸を経て秋田県秋田市秋田駅までを結ぶ路線だそうです。路線についての詳細はウィキペディアなどで分かるのですが、官舎については書かれていません。

ja.wikipedia.org

 

越後の停車場」という本を読んでみましたが、当時の駅の写真はあるのですが官舎については記載なし。

 

羽越線資料館」というHPの掲示板で聞いてみましたが、官舎については調べるのが難しいのでは。とのこと。

官舎というのは平たく言うと、駅で働く鉄道員のための社宅です。かつてはどこの駅にも少なくとも駅長官舎があったようですが、無人化などで殆どなくなっているようです。
鉄道趣味の中でも直接鉄道とはあまり関係ない官舎のことは、なかなか調べるのが難しいと思います。
当時は国有なので、登記もありませんし、そのころは今のように住宅地図もなかったと思うので。。
当HPにも掲載している駅の構内図(主に線路の配線図)にも、官舎は記載されていません。
官報の中に、建設の際の入札公告が出ている可能性がありますが、検索できないので一枚一枚見ていく必要があり、現実的ではありません。
可能性としては、新発田市村上市の図書館に聞いてみるくらいしか思い当たりません・・。 

 

新潟県立図書館のメールリファレンスで聞いてみました。

当館所蔵資料を確認したところ、両駅の鉄道官舎について記述がある資料は見つかりませんでした。ただ同時期の鉄道官舎に関しては、下記(1)~(4)の資料に、同時期の両駅や駅周辺の写真については、下記(5)~(11)の資料に記述がありました。なお、同じ写真が複数の資料に掲載されているものもすべてご紹介しています。

 

(1)『三十年史』(日本国有鉄道新潟支社修史委員会/編 日本国有鉄道新潟支社1967)

「第6編 施設」の項内p485~487「5 宿舎および寮」には、新発田や村上についての記述はありませんが、支社開局からの宿舎の状況について写真を交えつつ記述があります。その中には、「管内で最も古い新井駅構内宿舎3号と平面図」として明治35年建築の宿舎の写真と平面図が掲載されています。

 

(2)『日本国有鉄道百年史』第7巻(日本国有鉄道 1971)

p396~397には「標準官舎一覧表」として、昭和5年頃と思われますが、官舎の種別ごとに構造や広さ、部屋数などを紹介しています。

 

(3)『羽越本線の90年』(瀬古龍雄/[ほか]監修 郷土出版社 1997)

「大正を貫く開業への槌音」の項内p40~42には、大正時代の新発田駅や駅周辺の写真が掲載されています。またp46、74~75には、同じく大正時代の村上駅の写真が掲載されています。

 

(4)『新潟県の100年』第4交通・産業編(新潟日報事業社出版部/編 新潟日報事業社出版部 1985)

「陸蒸気走る」の項内p92に大正中期の、p83には大正元年頃の新発田駅の写真が掲載されています。

 

(5)『新発田市史』下巻(新発田市史編纂委員会/編 新発田市 1981)

羽越線の開通」の項内p453~454に、新発田駅駅前通りの写真が掲載されています。

 

(6)『昔のしばたの暮らし』(ふるさと伝承記録刊行会/編 ぎょうせい 1987)

「鉄道」の項内p20に、大正元年新発田駅の写真2点が掲載されています。

 

(7)『目で見る新発田・豊栄・北蒲原郡の100年』(佐久間惇一/監修,高橋礼弥/監修 郷土出版社 1993)

「大正期の出来事」の項内p52~53に、大正元年新発田駅と大正初期の新発田駅前広場の写真が掲載されています。

 

(8)『ふるさとの百年 新発田・北蒲原第2』(新潟日報事業社出版部/編 新潟日報事業社 1982)

「町並み」の項内p10に、大正後期の駅前通りと大正元年の駅前付近の写真が掲載されています。

 

(9)『ふるさと新発田』(郷土出版社 2007)

「交通の変遷」の項内p160~161に大正元年新発田駅と大正3年ごろの駅構内の写真が掲載されています。

 

(10)『目で見る村上・岩船の100年』(大場喜代司/監修 郷土出版社 1993)

羽越線の開通」の項内p64に大正3年の村上駅の写真が掲載されています。

 

(11)『ふるさとの百年 村上・岩船』(新潟日報事業社出版部/編 新潟日報事業社 1981)

「鉄道のむかし」の項内p33に大正13年の村上駅の写真が掲載されています。

 

ドンピシャはありませんでしたが同時期の官舎について書かれた資料があるようなので、それらからご先祖の暮らしが想像できればいいな、と思います。